2019年03月02日
床下エアコンの暖房その⑤
12.床下エアコンの設定
次に床下エアコンの能力を考えます。
やはり最頻暖房能力を考えるのが妥当であるため、
3000W-2200W=800W が床下で蓄えられた熱量が賄う分となります。
この数値は「少ないのでは?」と思われるかもしれませんが、
まずは一定に床表面温度が高くなることが期待できるので、
一定以上の快適性はここで確保されます。
また床下暖房の効果に満足度が高いことが実感されれば、
床下エアコンをoff にすると想定する時間帯(7時~23 時)においても
床下エアコンを動かすという方法もあります。
その場合は当然深夜電力料金時よりも暖房費は多くなりますが、
床下エアコンからの放熱分のうち室内に向かう割合はかなり多いと
思われ(基礎コンクリートの温度が一定に高いため)、
効率の悪い暖房方法ではありません。
1)蓄熱量において室内で使える熱量の割合の設定
先にも述べたように、基礎コンクリートで蓄えられた熱は
「室内」と「外気/土壌」に移動します。
そこでのそれぞれの単位温度差当たりの熱移動量は以下のようになります。
室内へ:2.4W/m2K(1 階床の熱貫流率)×60m2(1 階床面積)=144W/K
基礎立ち上がり部から外気及び土壌へ:34.2W/K(計算書より)
基礎底盤から土壌へ:2.4W/K(計算書より)
ここで床下空間の7 時~23 時における平均空気温度を
(40℃-18℃)/2+16℃=27℃として想定すると、
それぞれの平均熱移動量は次のように推定されます。
(40℃:7 時の時点の床下推定空気温度、
18℃:23 時の時点の床下推定空気温度)
室内へ:144W/K×(27K-20K)=1008W
基礎立ち上がり部から外気及び土壌へ:34.2W/K×(27K-10K)=581W
基礎底盤から土壌へ:2.4W/K(27K-13K)=33.6W
したがって、室内に移動する熱は蓄熱量全体の
1008/(1008+581+34)=62%ということになります。
もちろん基礎における断熱性を高めれば、この割合はさらに高くなります。
ここで床下の蓄熱分が賄う最頻暖房負荷は700W なので、
必要となる蓄熱による放熱量の全体は800W/0.62=1290W となります。
なお、この放熱量が7 時~23 時まで続けばよいと考えると、
実際に必要となる蓄熱量は1290W×16h×3600=74304kJ となります。
2)エアコン放熱量の算定
2 ページの図にあるように、エアコンからの放熱分は4つのルートで
移動していきます。ここで定常状態になるまでの熱吸収量はおよそ
それぞれの部位材料の熱伝導率に支配されると考えられます。
コンクリートの熱伝導率:1.6W/mK、床材の熱伝導率:0.16W/mK であり、
さらにコンクリートの表面積が床材よりもかなり大きいので、
エアコンからの放熱量のうち90%程度はコンクリートに吸収されると思われます。
ただし、定常状態になる前にも外気や土壌へ熱はある程度逃げるので、
それを勘案してエアコンの放熱量の80%程度が蓄熱されると想定します。
ここで1)で算出した74304kJ(必要蓄熱量)に23 時~7 時の8h で
達成させればよいことになり、74304kJ/0.8/8h/3600s=3.22kW=3220W の
平均放熱量があればよいと計算されます。
したがって、床下エアコンについては定格能力が3600W に近いものを
選べばよいことになります。
次に床下エアコンの能力を考えます。
やはり最頻暖房能力を考えるのが妥当であるため、
3000W-2200W=800W が床下で蓄えられた熱量が賄う分となります。
この数値は「少ないのでは?」と思われるかもしれませんが、
まずは一定に床表面温度が高くなることが期待できるので、
一定以上の快適性はここで確保されます。
また床下暖房の効果に満足度が高いことが実感されれば、
床下エアコンをoff にすると想定する時間帯(7時~23 時)においても
床下エアコンを動かすという方法もあります。
その場合は当然深夜電力料金時よりも暖房費は多くなりますが、
床下エアコンからの放熱分のうち室内に向かう割合はかなり多いと
思われ(基礎コンクリートの温度が一定に高いため)、
効率の悪い暖房方法ではありません。
1)蓄熱量において室内で使える熱量の割合の設定
先にも述べたように、基礎コンクリートで蓄えられた熱は
「室内」と「外気/土壌」に移動します。
そこでのそれぞれの単位温度差当たりの熱移動量は以下のようになります。
室内へ:2.4W/m2K(1 階床の熱貫流率)×60m2(1 階床面積)=144W/K
基礎立ち上がり部から外気及び土壌へ:34.2W/K(計算書より)
基礎底盤から土壌へ:2.4W/K(計算書より)
ここで床下空間の7 時~23 時における平均空気温度を
(40℃-18℃)/2+16℃=27℃として想定すると、
それぞれの平均熱移動量は次のように推定されます。
(40℃:7 時の時点の床下推定空気温度、
18℃:23 時の時点の床下推定空気温度)
室内へ:144W/K×(27K-20K)=1008W
基礎立ち上がり部から外気及び土壌へ:34.2W/K×(27K-10K)=581W
基礎底盤から土壌へ:2.4W/K(27K-13K)=33.6W
したがって、室内に移動する熱は蓄熱量全体の
1008/(1008+581+34)=62%ということになります。
もちろん基礎における断熱性を高めれば、この割合はさらに高くなります。
ここで床下の蓄熱分が賄う最頻暖房負荷は700W なので、
必要となる蓄熱による放熱量の全体は800W/0.62=1290W となります。
なお、この放熱量が7 時~23 時まで続けばよいと考えると、
実際に必要となる蓄熱量は1290W×16h×3600=74304kJ となります。
2)エアコン放熱量の算定
2 ページの図にあるように、エアコンからの放熱分は4つのルートで
移動していきます。ここで定常状態になるまでの熱吸収量はおよそ
それぞれの部位材料の熱伝導率に支配されると考えられます。
コンクリートの熱伝導率:1.6W/mK、床材の熱伝導率:0.16W/mK であり、
さらにコンクリートの表面積が床材よりもかなり大きいので、
エアコンからの放熱量のうち90%程度はコンクリートに吸収されると思われます。
ただし、定常状態になる前にも外気や土壌へ熱はある程度逃げるので、
それを勘案してエアコンの放熱量の80%程度が蓄熱されると想定します。
ここで1)で算出した74304kJ(必要蓄熱量)に23 時~7 時の8h で
達成させればよいことになり、74304kJ/0.8/8h/3600s=3.22kW=3220W の
平均放熱量があればよいと計算されます。
したがって、床下エアコンについては定格能力が3600W に近いものを
選べばよいことになります。